歯磨きにお金をかける人を、ちょっと遠くから見てた頃の僕へ

歯磨きって、なんでこんなに適当に扱われてるんだろうと思った

歯磨きって、人生で一番回数をこなしている行為の一つだと思う。

それなのに、扱いが異常に雑だ。

朝起きて、
顔を洗って、
なんとなく歯を磨いて、
なんとなく家を出る。

夜も同じ。

スマホ見ながら、
考え事しながら、
場合によっては記憶が曖昧なまま終わる。

……これ、冷静に考えると結構すごい。

口の中って、食べ物も空気も通るし、体の入口なのに、僕らはそこを「流れ作業」で処理している。

別に不満はない。

血も出てないし、
痛くもないし、
歯医者にも年1くらいで行ってる。

でも、「満足してるか?」と聞かれると、ちょっと困る。

満足というより、諦めに近い静けさがある。

コンビニで、毎回同じおにぎりを買ってる感じ。

別に美味しくないわけじゃない。

でも、
「これでいいや」
が積み重なってるだけ。

歯磨きも、たぶんそれに近い。

誰かに
「歯磨きって楽しい?」
って聞かれたら、
ほぼ全員が困ると思う。

楽しくはない。

でも、やらないわけにもいかない。

この義務感と無関心の中間みたいな場所に、歯磨きはずっと居座ってる。

で、ここから完全に僕の話になるんだけど。

僕は基本的に、生活のことを改善しようとするタイプじゃない。

効率化とか、ルーティン最適化とか、そういう言葉を聞くと、ちょっと身構える。

「ちゃんとした人の世界だな」
って思う。

だから歯磨きも、長年ずっと手磨きだった。

ドラッグストアで一番無難そうな歯ブラシを買って、一番端にある歯磨き粉を取る。

それで十分だと思ってた。

というか、
十分だと思うことで考えるのをやめてた

ここがたぶん一番正直なところだ。

歯磨きについて考えるのって、地味に面倒くさい。

何分磨くのが正解なのか分からないし、力加減もよく分からない。

歯医者に行くたびに
「優しく磨いてくださいね」
って言われるけど、
その「優しく」が分からない。

結果、
「まあ、こんなもんだろ」
で終わらせる。

この
「こんなもんだろ」
が、
毎日2回、何年も続いてる。

別に困ってない。

でも、うるさい。

歯磨きの時間って、ちょっとうるさい。

歯ブラシの動かし方を考えたり、ちゃんと磨けてるか不安になったり、磨き終わったあとに
「本当にこれで良かったのか?」
って一瞬だけ考えたり。

ほんの数分。

でも、その数分が、毎日ちゃんと存在感を持ってくる。

僕はこのとき、まだ電動歯ブラシを
「意識高い人の道具」
だと思ってた。

自分には関係ない世界の話だと思ってた。

だからこの違和感にも、名前をつけてなかった。

ただ、なんとなく歯磨きの時間が好きじゃない。

理由は分からない。

でも、別に深掘りもしない。

この時点では、それで終わりだった。

正直、電動歯ブラシは「意識高い人の道具」だと思ってた

電動歯ブラシって、僕の中ではずっと「ちゃんとしてる人の持ち物」だった。

健康意識が高くて、歯医者の定期検診を欠かさなくて、サラダを自分で作るタイプの人。

そういう人が、洗面所に当たり前のように置いてるやつ。

少なくとも、夜中にコンビニでアイスを買って、
「まあ今日はいいか」
って言いながら寝る僕の生活には、登場しないアイテムだと思ってた。

あと、値段。

これも大きい。

電動歯ブラシって、なんとなく高い。

ちゃんと調べたわけじゃないけど、
「1万円超える」
みたいなイメージが先に来る。

歯ブラシに。

歯ブラシに。

冷静に考えると、スマホアクセサリーには平気で数千円出してるのに、歯ブラシになると急に厳しくなる。

この基準のズレも、自分でちょっと笑ってしまう。

でも当時の僕は、笑いながらもちゃんと拒否してた。

「いや、手で磨けばいいでしょ」
「そこまでしなくてもいいでしょ」
って。

ここで大事なのは、
否定に根拠がなかった
ということだ。

性能がどうとか、歯にどう影響するとか、そういう話じゃない。

ただ、「僕の生活には合わなそう」という空気だけで避けてた。

意識高いものを避けるときの、あの独特の反射。

サウナ、
プロテイン、
高機能マットレス。

全部同じ棚に入れてた。

どれも悪くないのは分かる。

でも、
「今の僕が手を出すと、生活全体を見直さなきゃいけなくなりそう」
という謎の恐怖がある。

電動歯ブラシも、完全にそこだった。

しかも、歯磨きっていうのがまた微妙で。

これが
「仕事効率が上がる」とか
「疲れが取れる」とかなら、
もう少し興味を持ったかもしれない。

でも歯磨きだ。

磨いたからといって、何かが劇的に変わる気がしない。

白くなるわけでもないし、褒められるわけでもない。

だから余計に、
「そこにお金かける?」
って思ってた。

たぶん僕は、電動歯ブラシを
投資対象として見てなかった

歯磨きは
「やらなきゃいけないこと」であって、
「良くするもの」ではなかった。

この感覚、たぶん分かる人は多いと思う。

必要最低限でいい。

問題が起きたら対処する。

今は問題ない。

だから現状維持。

このロジックは、一見すごく合理的に見える。

少なくとも、無駄遣いはしていない気がする。

ただ、この合理性の中には、
「不快感は数に入れていない」
という欠点がある。

当時の僕は、まだそこに気づいてなかった。

歯磨きが好きじゃない理由を、
「面倒だから」
で片づけてた。

その裏にある小さいストレスとか、判断の多さとか、そういうものをちゃんと見てなかった。

だから、電動歯ブラシは最後まで
「意識高い人の道具」
で終わってた。

少なくとも、
この時点までは。

手磨きに不満はなかったはずなのに、毎日ちょっと疲れてた話

不満は、本当になかった。

少なくとも、言葉にできるレベルの不満は。

歯が痛いわけでもないし、血が出るわけでもない。

歯医者に行けば、
「ちゃんと磨けてますね」
と言われることもある。

だから僕はずっと、
手磨きで何も問題ない
と思ってた。

というか、問題がないことにしたかった。

歯磨きって、問題が起きた瞬間に一気に面倒になる行為だから。

虫歯とか、
歯周病とか、
聞くだけでテンションが下がる単語が並ぶ。

だから、何も起きてない今をわざわざ疑いたくなかった。

でも、ここで一つだけ、変な感覚があった。

朝の歯磨きが、地味にしんどい。

眠いから、という理由もある。

時間がないから、というのもある。

でもそれだけじゃない。

歯を磨いてる数分間、頭の中がずっとうるさい。

「ちゃんと磨けてるかな」
「奥歯、今当たってる?」
「力入れすぎてない?」
「もう終わっていい?」

この確認作業が、ずっと続く。

しかもこれ、正解が分からない。

正解が分からないまま、毎日同じ確認をしてる。

考えてみると、かなり疲れる構造だ。

夜も同じ。

一日の終わりで、もう頭を使いたくない時間帯。

なのに歯磨きになると、急に
「丁寧さ」
を要求される。

スマホを見ながら磨くと、罪悪感が出る。

ちゃんと鏡を見て磨くと、それはそれで
「こんなに集中する必要ある?」
と思ってしまう。

この中途半端な感じ。

ちゃんとやりたいわけでもないけど、雑にやるのも嫌。

この宙ぶらりんの状態が、毎日続いてた。

当時の僕は、これを
「まあ、歯磨きってそんなもんでしょ」
で処理してた。

でも今振り返ると、これは疲れだったと思う。

肉体的な疲れじゃない。

判断することへの疲れ

どの歯から磨くか。

どれくらいの時間か。

どれくらいの力か。

一つ一つは小さい。

でも、全部合わせるとちゃんと脳を使ってる。

しかも、成果が見えない。

頑張った実感もない。

終わったあとに残るのは、
「たぶん大丈夫」
という曖昧な安心感だけ。

この
「たぶん」
が、
地味に気持ち悪い。

コンビニで温めてもらった弁当を受け取ったあとに、
「これ、ちゃんと温まってるよな?」
って思う感じに近い。

別に問題は起きない。

でも、毎回ちょっとだけ引っかかる。

歯磨きも、完全にそれだった。

それなのに、僕はこの違和感を無視し続けてた。

理由は簡単で、
代替案が思い浮かばなかったから。

手磨き以外の選択肢を、本気で考えたことがなかった。

電動歯ブラシは、相変わらず
「意識高い人のやつ」
という棚に置いたまま。

自分が使う姿が、全然想像できなかった。

洗面所に置いてあるだけで、
生活全体がちょっと整いすぎる気がして。

その整いに、自分がついていけない気がして。

だから、疲れてることにも気づかないフリをして、同じ歯ブラシを使い続けた。

この時点では、まだ
「変えよう」
とは思ってない。

ただ、歯磨きの時間が少しだけ嫌いになってた。

大嫌いじゃない。

でも、好きでもない。

この微妙なマイナスが、毎日確実に積み上がってた。

選んだ理由は、性能じゃなくて「気分」

ここでいきなり
「よし、電動歯ブラシを買おう」
と決断したわけじゃない。

そんな前向きな話ではない。

むしろ、きっかけはかなり弱い。

たしか、歯医者の帰りだったと思う。

特に怒られたわけでもないし、深刻なことを言われたわけでもない。

ただ、
「もう少し優しく磨けるといいですね」
と言われた。

いつものやつだ。

毎回言われるやつ。

それなのにその日は、なぜかその言葉が妙に残った。

理由は分からない。

たぶん、そのときの僕が、ちょうど歯磨きに疲れてたんだと思う。

家に帰って、なんとなくスマホを見て、なんとなく
「電動歯ブラシ」
と検索した。

この時点でも、買う気はほぼない。

ただの暇つぶし。

比較するつもりもない。

スペック表を見ても、正直よく分からない。

振動数とか、
モードとか、
アプリ連携とか。

どれも
「へえ」
で終わる。

そんな中、オーラルB iO9が目に入った。

理由は単純で、見た目がちょっとだけちゃんとしてた。

ピカピカしすぎてない。

家電っぽすぎない。

洗面所に置いても、主張が強くなさそう。

この
「置いても邪魔じゃなさそう」
という感覚が、
妙に大きかった。

性能は、よく分からない。

正直、他のモデルとの差も把握してない。

でも、使う自分が想像できた

これが一番大きかった。

朝、眠い顔で洗面所に立って、何も考えずにこれを手に取る。

夜、だらけた頭のまま、スイッチを入れる。

その映像が、なぜか自然に浮かんだ。

ここで初めて、
「歯をきれいにする」
じゃなくて、
「気分が楽になるかも」
と思った。

磨き方を考えなくていい。

力加減を気にしなくていい。

時間を測らなくていい。

もしそれが本当なら、かなり助かる。

もちろん、値段は高い。

一瞬、そっとスマホを閉じた。

「やっぱり手磨きでいいよな」
という声が、すぐに出てくる。

でも、その声はどこか元気がなかった。

いつもの拒否の勢いがない。

たぶん、もう薄々分かってた。

手磨きに不満はないけど、満足もしてない。

この状態をこの先もずっと続けるのか。

その問いに、ちゃんと答えたくなかった。

だから僕は、性能比較をやめた。

レビューも、流し読みしかしなかった。

合理的な理由を集めるのをやめた。

代わりに、
「これなら嫌にならなそう」
という感覚だけを信じた。

これは、自分でもちょっと意外だった。

いつもなら、もっとグダグダ悩む。

でもこのときは、悩むのがもうしんどかった。

歯磨きのことで、これ以上頭を使いたくなかった。

だから、オーラルB iO9を選んだ。

良いか悪いかは、使ってみないと分からない。

でも、
「これなら毎日使えそう」
と思えた。

僕にとっては、それで十分だった。

初めて使った日のツルツル感に、僕が一番ビビったこと

箱を開けたとき、正直ちょっとだけ緊張した。

高い買い物をした直後特有の、あの
「頼むから期待を裏切らないでくれ」
という気持ち。

別に歯磨きで感動したいわけじゃない。

むしろ、何も起きなくていい。

普通でいい。

その代わり、後悔だけはしたくない。

そんな低めの期待値で、洗面所に立った。

スイッチを入れると、振動が来る。

音は思ったより静かで、ちょっと拍子抜けした。

もっと
ウィーン、ガガガ
みたいなのを想像してたから。

ここで一つ目の
「あれ?」
が出る。

歯に当てる。

この瞬間、
力を入れなくていいのが
すぐ分かる。

というか、入れると赤く光るので、
なんとなく怒られてる感じがする。

圧をかけすぎると、ちゃんと教えてくれる。

この
「見張られてる感」
が、
なぜか安心だった。

自分で判断しなくていい。

これだけで、頭が一段階軽くなる。

歯の表面をなぞっていく。

特にテクニックはいらない。

上下とか、
順番とか、
ほぼ考えなくていい。

ただ当ててるだけなのに、勝手に仕事してくれてる感覚。

この時点で、もう少し
「手磨きとは別物だな」
と思い始めてた。

磨き終わって、口をゆすぐ。

ここで来た。

ツルツル。

想像してたツルツルより、
ちゃんとツルツル。

指で触らなくても、舌で分かる。

あ、これ、
ちゃんと磨けてるやつだ。

この瞬間、僕が一番ビビったのは、気持ちよさよりも、納得感だった。

「よく分からないけど、 たぶん大丈夫」
じゃない。

「うん、終わったな」
という終わり方。

これ、地味だけどかなり大きい。

歯磨きがちゃんと完了した感じがする。

手磨きだと、どうしても残ってたあのモヤっとした不安がない。

終わったあとに、歯のことを一切考えなくて済む。

この時点で、少し怖くなった。

あ、これ、戻れなくなるやつかも。

別に歯が白くなったとか、人生が変わったとか、そういう話じゃない。

ただ、歯磨きというタスクが完結する感覚を初めて味わった。

この完結感は、一度知るとなかなか手放せない。

たとえば、中途半端に充電されたスマホと、100%まで充電されたスマホ。

使えないわけじゃない。

でも、どっちが気持ちいいかは明らかだ。

歯磨きも、ずっと
「80%くらい」
で終わってたんだと思う。

それが、この日、初めて100%になった。

もちろん、この時点ではまだ分からない。

これが一時的な感動なのか、毎日続くものなのか。

でも、少なくともこの日は、歯磨きのあとに何も考えなかった。

これだけで、買った意味はあった気がした。

使い続けて気づいたのは、歯よりも“判断”が減ったこと

数日使ってみて、ツルツル感にはだんだん慣れてくる。

人間、どんな感動にも慣れる。

これはもう仕方ない。

でも、ここで終わらなかった。

むしろ、本番はそこからだった。

気づいたのは、歯の状態じゃない。

白さでもないし、歯医者の評価でもない。

頭の中が、静かになってる

これに最初、気づけなかった。

変化が地味すぎるから。

でもある日、夜の歯磨きを終えたあとに、ふと思った。

「あれ、 もう終わったんだ」

この
「もう終わった」
が、
すごく自然だった。

いつもなら、どこかで確認作業が入る。

奥歯どうだったっけ。

力入れすぎてないか。

磨き残しないかな。

そういう小さい不安が、必ず一つは残ってた。

それが、
ない。

完全に、
任せきってる。

iO9が、全部やってくれたとは言わない。

でも少なくとも、
判断の責任をかなり引き取ってくれてる

これが大きい。

たとえば、タイマー。

「あと何分磨けばいいか」
を考えなくていい。

たとえば、圧センサー。

「力、強すぎないか」
を気にしなくていい。

たとえば、モード。

今日はどうするとか、ほぼ考えない。

こういう一つ一つは小さい。

でも、全部合わせると結構な量になる。

僕はここで初めて、歯磨きが
判断の塊だった
ことに気づいた。

毎日、何も考えてないつもりで、ちゃんと考えてた。

しかも、成果が見えにくい分野で。

これ、しんどいはずだ。

逆に言うと、判断が減るだけで、歯磨きはここまで楽になる。

何かを頑張らなくていい。

集中しなくていい。

正解を探さなくていい。

ただ、スイッチを入れて、当てる。

2分経ったら、終わり。

この
「終わりがはっきりする」
というのが、僕にとっては一番大きかった。

やりっぱなし感がない。

後悔もない。

振り返りもしない。

歯磨きが、脳のリソースをほぼ使わなくなる

これは、思ってた以上に生活に効いてくる。

朝、余計な疲れを持ち越さない。

夜、
「ちゃんとやったかな?」
という思考で一日を締めない。

ほんの数分。

でも、
毎日。

ここがポイントだ。

この変化は、テンションが上がるものじゃない。

SNSに書くことでもない。

誰かに語りたくなる話でもない。

ただ、生活のノイズが一つ消える

それだけ。

でも僕は、この
「それだけ」
を、ずっと欲しがってた気がする。

効率化とか、
最適化とか、
そういう言葉じゃない。

ただ、静かであってほしい。

歯磨きは、もうそれでいい。

値段と替えブラシの高さを、僕はどうやって自分に言い訳したか

ここまで書いておいて、これを無視するのは無理だ。

高い。

本体も高いし、替えブラシも高い。

これは事実。

買った直後、一瞬だけ
「やりすぎたかも」
という気持ちが来た。

歯磨きだぞ、
って。

毎日やるとはいえ、
歯磨きだぞ、

って。

冷静になると、突っ込みどころしかない。

替えブラシなんて、普通に考えたら消耗品だ。

それが、まあまあの値段で定期的に必要になる。

ここでコスパ計算が始まる。

1日あたりいくらだ、とか。

1回の歯磨きでいくらだ、とか。

でも、こういう計算を始めた時点で、もう負けてる気がした。

歯磨きでそこまで自分を納得させようとしてる時点で、だいぶ無理してる。

だから僕は、途中でやめた。

ちゃんと計算しないことにした。

代わりに、別の方向で自分を説得した。

まず、「高い」という感情を否定しない。

高いものは、高い。

ここをごまかすと、あとで必ずモヤっとする。

その上で、じゃあ何にお金を払ってるのかを、言葉にしてみた。

歯をきれいにすること。

……だけじゃない。

判断しなくていい時間。

歯磨きについて考えなくていい安心感。

終わったあとに振り返らなくていい気楽さ。

こっちの方が、しっくり来た。

たとえば、月に数回行くちょっと高めのランチ。

お腹は満たされる。

でも、次の日には忘れてる。

一方で、歯磨きは毎日2回。

しかも、嫌だった時間が静かになる。

この違いを考えたら、値段の話だけで切り捨てるのも違う気がした。

もちろん、余裕があるわけじゃない。

替えブラシを買うとき、毎回ちょっとだけため息は出る。

でも、そのため息は以前の歯磨き中のモヤモヤより短い。

ここで僕は、完全に納得したわけじゃない。

ただ、
不満の総量が減った
と感じた。

お金の不満は増えた。

でも、毎日の小さなストレスは減った。

このトレードオフなら、まあ、いいか。

その程度の結論だ。

完璧な正解じゃない。

でも、自分に嘘はついてない。

たぶん、この言い訳が一番長持ちする。

正直、これが合わない人の顔はすぐ浮かぶ

ここまで読んで、
「じゃあ自分も買うべきか」
みたいなことを考え始めてたら、一旦止まってほしい。

というのも、この電動歯ブラシ、
全員に合うわけじゃない

これは本気でそう思ってる。

まず、手磨きで何の不満もない人。

歯磨きの時間が特に嫌じゃない人。

むしろ、自分のペースで丁寧に磨くのが好きな人。

そういう人には、正直いらない。

電動にする理由が、一つもない。

ツルツル感も、
「まあ、そんなもんでしょ」
で終わると思う。

あと、道具に管理されたくない人。

タイマーとか、
センサーとか、
「今はこうしてください」
って言われるのがストレスになる人。

このタイプも、たぶん合わない。

歯磨きくらい、自由にやらせてくれ、ってなる。

僕は逆だったけど、これは完全に好みだ。

それから、価格に対してずっと引っかかり続ける人。

高いと感じるのは普通。

でも、使うたびに
「やっぱ高いよな……」
って思ってしまうなら、やめたほうがいい。

その思考自体が、新しいノイズになる。

歯磨きが静かになるどころか、別のうるささが増える。

これ、本末転倒だ。

あと意外と大きいのが、ガジェットを増やしたくない人

洗面所に物が増えるのが嫌。

充電するものをこれ以上増やしたくない。

旅行のときに持っていくか悩みたくない。

こういう人にも、向いてない。

手磨きの身軽さは、やっぱり強い。

ここまで書いてて、気づいたことがある。

この電動歯ブラシが合うかどうかって、歯の状態よりも、
生活のノイズに敏感かどうか
で決まる気がする。

歯磨きが多少雑でも気にならない。

終わったあとに振り返らない。

まあいいや、で済ませられる。

そういう人は、たぶん幸せだ。

わざわざお金を払って静かにする必要がない。

僕は、そこができなかった。

「まあいいや」
が、毎日ちょっとずつ溜まっていくタイプだった。

だから、この選択がハマった。

逆に言うと、ハマらない人がいるのは当然だと思ってる。

電動歯ブラシを持ってないからといって、何かが劣ってるわけでもない。

生活の正解は、人の数だけある。

歯磨きなんて、その最たるものだ。

だから、ここまで読んでピンと来てないなら、その感覚を大事にしたほうがいい。

無理に合わせに行く必要は、本当にない。

歯磨きの時間が、ちょっと静かになっただけの話

結局、何が一番変わったのかと聞かれたら、僕はこう答えると思う。

歯磨きの時間が、静かになった。

それだけだ。

歯が劇的に白くなったわけでもない。

人生が好転したわけでもない。

朝起きて、鏡の前でキラキラした気分になることもない。

ただ、歯磨きの数分間に余計なことを考えなくなった。

これが、思ってた以上に効いてる。

朝、眠い頭で洗面所に立って、スイッチを入れる。

考えなくていい。

当ててるだけで、終わる。

夜も同じ。

一日を振り返る前に、歯磨きが終わってる。

「ちゃんと磨けたかな?」
という疑問が、一切出てこない。

この何も残らない感じが、すごくいい。

以前は、歯磨きのあとにほんの一瞬だけ考え事をしてた。

でも今は、その一瞬がない。

たったそれだけで、一日の終わりが少しだけきれいになる。

僕はこの感覚を、「投資」と呼ぶほど大げさなものだとは思ってない。

でも、無駄でもない。

強いて言うなら、
判断を減らすための出費

それを歯磨きに使った、というだけの話だ。

高い。

これは今でも思う。

替えブラシを買うたびに、
「あー」ってなる。

それでも、手磨きの時間に戻りたいとは思わない。

手磨きに戻る理由が、今のところ見つからない。

でも、これを読んでる人全員に同じ選択をしてほしいとは、全く思ってない。

歯磨きが今のままで何も気になってないなら、それが一番だ。

わざわざ変える必要はない。

ただ、もしどこかで歯磨きの時間が少しだけうるさく感じてるなら。

ちゃんと磨けてるか毎回ちょっとだけ不安になるなら。

終わったあとに歯のことを考えてしまうなら。

こういう感覚が積み重なってるなら、

こんなのもあるんだ。

ってことだけ覚えといてくれれば。

別に、やらなくてもいい。

買わなくてもいい。

歯磨きは、今のままでもちゃんと生活は回る。

ただ、静かになる選択肢が一つある、というだけ。

それをどうするかは、本当に自由だ。

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です