オイコス レビュー|「我慢しないための高たんぱく」という発明

無地のヨーグルトカップとスプーン

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コンビニのヨーグルト棚の前で、俺はいつも二人に分裂する。

一人は「たんぱく質を摂れ、体のことを考えろ」と説教してくる管理者の俺。もう一人は「甘いものを食わせろ、今すぐにだ」と駄々をこねる幼児の俺。この二人は基本的に和解しない。管理者が勝てば、ささみとゆで卵の無言の夜が来る。幼児が勝てば、レジ横のスイーツが官能の3分と、それなりの罪悪感を連れてくる。長年、俺の間食はこの内戦の歴史だった。

これまでの停戦努力も、一応述べておく。プロテインバーを箱買いした時期があった。最初の3本は「意外といけるな」と思う。10本目あたりで、あの独特の密度に口が拒否権を発動し始める。残りは戸棚の奥で静かに賞味期限を待つ係になる。健康的な間食計画とは、たいていこうやって戸棚の奥で終わるのだ。

オイコスに出会ったのは、そんな内戦のさなかである。「高たんぱく」を掲げるヨーグルト。どうせアレだろ、健康のために味を差し出した系の、意識の高い無表情な食い物だろ——と決めつけて手に取った俺は、その夜、二人の俺が同時にうなずくという外交上の奇跡を目撃することになる。

オイコスとはどんな高たんぱくヨーグルトか

基本情報を整理しよう。オイコスはダノンが展開するヨーグルトブランドで、いわゆるギリシャヨーグルトタイプ。濃密でクリーミーな食感が持ち味だ。プレーンからストロベリーなどのフルーツ系まで味のバリエーションがあり、コンビニやスーパーの棚でも見かける入手性の高さも強みの一つである。

「ギリシャヨーグルトって普通のと何が違うんだ」という人のために補足すると、一般に水分を除いていく水切り製法で作られていて、そのぶん濃く、密度が高い。スプーンがしばらく自立しそうなあの質感は、製法由来である。細かい製法や規格の話はメーカーの説明に譲るが、俺たち食べる側に大事なのは、この製法の結果として「食べごたえ」が生まれているという一点だ。

そして名前の通り「高たんぱく」を看板にしている。具体的な栄養成分の数値は、味やシリーズによって異なるし、リニューアルで変わることもあるので、ここにはあえて書かない。手に取ったパッケージの栄養成分表示か、リンク先で最新の情報を確認してほしい。この記事が保証しにいくのは数値ではなく、「続けて食べたくなるかどうか」という一点である。

本音レビュー:オイコスは本当に美味しいのか

食べ続けている俺の率直な感想は、こうだ。

オイコスは「健康食品」より「ちゃんと美味しいデザート」という印象だ。クリーミーで満足感があり、期待以上だった。値段は少し高いが、これで高たんぱくなら冷蔵庫に常備したくなる。甘いものを我慢したくない人にはかなり向いている。

最初の一個は、正直に言えば割引シールにつられて買った。夜、風呂上がりに開けて一口。「あ、これはヨーグルトの顔をしたデザートだ」と声が出た。翌日、定価で二個目を買いに行った時点で、俺の中の勝負は決していたと思う。

まず食感の話をさせてほしい。スプーンを入れた瞬間の抵抗感からして、普通のヨーグルトとは別物だ。ねっとりと重く、口に入れるとチーズケーキの手前くらいの濃密さがある。「ヨーグルトの上位互換」というより、「スイーツの入り口に立っている乳製品」と言ったほうが近い。

味の印象も書いておく。フルーツ系のフレーバーは甘さがちゃんとあって、「健康食品的な妥協の甘み」ではない。夜に幼児の俺が暴れ出したとき、これで鎮圧が成立する程度には「デザートとして」機能している。ここが重要で、間食対策は美味くなければ絶対に続かない。まずいものを意志力で食べ続けられる人は、そもそもこの記事を読んでいない。

腹持ちについては、濃密なぶん、俺の場合は食べ終わったあとの満足感が普通のヨーグルトより長く続く感じがある。ここは体感に個人差が出るところなので、話半分で聞いてほしい。

さて、闇も書く。

闇その1、値段。 普通のヨーグルトと比べると明確に高い。毎日となると、家計の中で「ヨーグルトのくせに」という視線を浴びる価格帯だ。俺は「コンビニスイーツより安い」という比較で自分を納得させているが、この会計術が通用するかは、各家庭の財務大臣の査定による。

闇その2、一つでは足りない日がある。 カップは小ぶりで、空腹の底が深い日には「……もう一個いくか」となる。二個いくと、闇その1が倍になる。これは俺の食欲側の問題でもあるが、書いておかないと不誠実だろう。

闇その3、味の当たり外れは好みが出る。 フレーバーによって甘さや酸味の印象がけっこう違う。俺にも「一度でいいかな」という味はあった。最初は単品でいくつか試して、自分の定番を見つけてから箱買いに進むのが安全ルートだ。

闇その4、冷蔵庫の占領問題。 まとめ買いすると、冷蔵庫の棚一段がオイコス領になる。家族と冷蔵庫を共有している人は、外交交渉を済ませてから箱買いしてほしい。わが家では一度、小競り合いが起きた。

総評すると、「美味しさで続けさせて、結果として高たんぱくが付いてくる」という設計が、このプロダクトの発明だと思う。健康的な選択を我慢で維持させるのではなく、快楽で維持させる。この順番の逆転がすべてだ。

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プロテインバー・菓子パンと比較:間食の選び方

ここでロジカルに、「甘いものは食べたい、でも体も気になる」人間の間食の選択肢を整理しよう。

(1)菓子パン・スイーツ派。 満足感は最強。ただし、たんぱく質面での貢献はあまり期待しにくく、罪悪感という見えない税金が毎回付いてくる。

(2)プロテインバー・シェイク派。 機能面の頼もしさはあるが、「おやつを食べた」という情緒が満たされにくい。あれは食事の補助であって、幼児の俺をなだめる道具ではない。義務の味がする日がある。

(3)ナッツ・ゆで卵派。 意識の高さでは表彰もの。ただ、甘さへの欲求には1ミリも応えてくれないので、我慢の在庫を消費し続けることになる。そして我慢の在庫は、必ずどこかで切れる。

(4)オイコス派。 デザートの快楽と、高たんぱくという機能の中間地点。値段は安くないが、「我慢していない」のに「後悔もしていない」という精神収支の良さが強みだ。

ここで少し脱線して、冷蔵庫常備の運用術も書いておきたい。オイコスの真価は、実は「棚の一番手前に、常に冷えている」状態を作れるかどうかで決まると俺は思っている。深夜に幼児の俺が暴れ出したとき、人間は目の前にあるものに手を伸ばす生き物だ。冷蔵庫を開けて、一番手前にオイコスが冷えていれば勝ち、奥のほうに賞味期限切れ間近のプリンが鎮座していれば負ける。だから俺は、買ってきたらまず手前に並べ替える。そして「一日一個まで」と決めて、それ以上は物理的に在庫を切らしておく。常備しつつ在庫を絞るという矛盾した運用が、闇その2の「もう一個いくか」を防ぐブレーキになる。誘惑に勝つとは、意志の力の話ではなく、冷蔵庫のレイアウトの話なのだ。うちではこの「手前ルール」を導入してから、深夜のスイーツ買い出しがほぼ消えた。

値段の考え方も整理しておく。単品価格だけ見るとためらう額でも、比較対象を「安いヨーグルト」ではなく「毎晩のコンビニスイーツ」や「カフェの甘い飲み物」に置くと、景色が変わる。仮に週の何回かをオイコスに置き換えるなら、間食の支出はむしろ下がる家庭もあるはずだ(あくまで仮の話なので、実際の価格はリンク先とレシートで確認してほしい)。まとめ買いで単価を下げる手もある。

結論はこうだ。間食を我慢で設計するな、置き換えで設計しろ。 我慢型の食生活は、意志の強い一部の人類にしか運用できない。俺を含む残りの人類は、「食べても後悔が少ないもの」への置き換えのほうが、はるかに現実的だ。

買わなくていい人も挙げておく。一、甘いものへの欲求がそもそも無い人。あなたは無糖ヨーグルトとナッツで完結できる、選ばれし民だ。二、価格にどうしても納得できない人。安いヨーグルトを美味しく食べられているなら、その生活はすでに勝っている。三、乳製品が体質に合わない人。ここは好みではなく体質の問題なので、無理は禁物である。

結論:「我慢は必ず爆発するの法則」

最後にまとめよう。今回俺が打ち立てたのは「我慢は必ず爆発するの法則」である。

我慢を土台にした食生活は、必ずどこかで爆発する。深夜のコンビニで、爆発した人間が何を買うかを、俺たちは経験的に知っている。だから賢い人間は、意志力に頼らず、「我慢しなくていい選択肢」をあらかじめ冷蔵庫に配備しておく。誘惑と戦うな、誘惑の隣に対案を置け。

この法則は食以外の節制にも当てはまる。禁欲だけで設計した計画は、破綻した日の反動まで含めれば、たいてい割高につく。人間の意志力は有限で、しかも残高は思っているより少ない。計画は、意志力を使わない形に作るのが正解だ。

オイコスは、俺の冷蔵庫における対案担当大臣である。管理者の俺と幼児の俺、長年の内戦を停戦させた実績は伊達ではない。味の種類や価格、まとめ買いの条件は変動するので、詳細はリンク先で確認してほしい。次にヨーグルト棚の前で分裂しそうになったら、思い出してほしい。二人とも満足させる選択肢が、その棚のどこかで冷えて待っている。

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