PS5 レビュー|「映像美は正義」と「積みゲーの山」の間で、大人はいつ遊べばいいのか

白い曲面のゲーム機とテレビボード

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ゲーム機のレビューというのは、普通「性能がすごい」から始まる。だが俺は先に、もっと重要な真実から始めたい。

大人になってからのゲームの最大の敵は、ラスボスではない。就寝時間である。

学生の頃、時間は無限にあった。金がなかっただけだ。今は逆である。PS5を買う金はある。だが、セーブポイントまであと10分の距離が、翌朝の会議より重い夜がある。家族が増えれば、テレビの優先権は自分にない。そういう人生のステージで、それでもPS5という最新鋭機を買う意味はあるのか。買った俺が、映像美への感動と積みゲーの罪悪感の両方を抱えたまま、正直に書く。

PS5とは:性能の話を最短で

PS5はソニーの現行据え置きゲーム機だ。特徴を大人向けに要約すると3つ。①映像がとにかく美しい(4K対応、光の表現が別次元)、②ロード時間が極端に短い(高速SSDのおかげで「待つ」が減った)、③コントローラーの振動と抵抗が芸術的(引き金の重さまでゲーム側が制御してくる)。

細かいスペックの数字は、正直この記事の主題ではない。世代が変わるたびに数字は更新されるし、モデルや価格も変動があるので、正確な仕様はリンク先で確認してほしい。大事なのは「据え置きゲーム体験の現在の最高峰」という位置づけ、それだけだ。

PS5を家族持ちが使った本音レビュー

俺の感想は、喜びと悲鳴が同居している。

やっぱ映像美なんすよ、ゲームは! でも家族が増えるとゲームなんてやってる場合じゃない……なかなかクリアできなくなってきた……歳かな。

光の部分。起動して最初の大作を遊んだ夜のことは今でも覚えている。雨の描写で「うわ、濡れる」と思った。ゲームの雨で傘を探したのは人生初である。ロードの速さも革命的で、昔なら「ロード中に麦茶を注いでくる」が様式美だったのが、今は麦茶を注ぐ暇がない。中断からの復帰も速く、これがのちに重要な意味を持ってくる。

そして闇。この機械の性能に、俺の人生のスケジュールが追いついていない。プレイ時間は子どもが寝てからの1時間弱。大作RPGの推奨クリア時間を逆算すると、エンディングは数か月先になる。ゲーム内で「前回のあらすじ」を自分の記憶に求めるが、出てこない。誰だお前、なんで俺たちは戦っているんだっけ、という状態から毎回始まる。積みゲーは増える。セールで買った名作が、パッケージのまま俺を見ている。あの視線に耐えられる大人だけが、大作を買っていい。

ただ、ここで先ほどのロードの速さが効いてくる。細切れの30分でも、起動→再開→区切りまでが速いから「ちゃんと遊べた感」が残るのだ。旧世代機の頃は、起動とロードで10分溶けて「今日はもういいや」となっていた。遊ぶ時間が減った大人にとって、性能とは画質のことではなく「可処分時間を無駄にしない速度」のことだと、俺はPS5に教わった。

ロードの速さについて、俺たち世代には語る資格があると思うので脱線させてほしい。かつてゲームのロード時間とは、人生の一部だった。メモリーカードのアクセスランプを見つめた夜。「いまセーブ中だから電源切らないで」と家族に叫んだ夕方。ロード画面のTIPSを暗記するほど読んだ週末。あれはあれで青春だったが、二度と戻りたくはない。PS5で大作を再開するとき、電源ボタンからゲーム画面まで、体感で言えば「麦茶に手を伸ばして戻ってきたら、もう始まっている」。この速度は、ゲームへの心理的ハードルを物理的に破壊する。「起動が面倒だから今日はスマホでいいや」という夜が消えるのだ。

我が家のテレビ交渉についても、実録を残しておく。導入当初、俺は正面から「夜、テレビでゲームをしたい」と申請し、あっさり却下された。敗因は交渉材料の不足である。二度目の交渉では「子どもと一緒に遊べるソフトもある」「映画も配信アプリもこれ一台で見られる」という家族側のメリットを添えた。結果、PS5は「父のおもちゃ」から「リビングの共有インフラ」に再定義され、市民権を得た。これから導入する諸兄には、この稟議の通し方をそのまま進呈する。ゲーム機を買う稟議は、ゲーム以外の価値で通すのだ。

積みゲー問題についても、もう少しだけ正直に書く。俺の棚には現在、クリアしていない大作が複数ある。昔の俺なら「全部クリアしてから次を買う」という謎の戒律に縛られていたが、今は考えを変えた。大人のゲームは、読書と同じでいい。全部読み切っていない本棚を恥じる人はいないだろう。気分に合わせて途中の一本を進め、疲れた夜は気楽な一本に逃げる。積みゲーとは在庫ではなく、選択肢なのだ——と自分に言い聞かせながら、今夜もセールページを眺めている。人間は治らない。

総評するなら、性能は文句なしの本物。問題は常に自分の時間割のほうにあり、それでも短時間で満足感をくれる設計は、時間のない大人にこそ効く

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大人がPS5を買うべきかの判断:3つの派閥で考える

大人のゲーム環境は、実質3派閥に分かれる。自分がどこにいるか診断してほしい。

(1)スマホゲームで十分派。 通勤の隙間で遊べて、中断も自由。時間効率は最強だ。ただし「雨に濡れる」体験はない。ゲームに求めるものが暇つぶしなら、この派閥から動く必要はない。

(2)PC ゲーミング派。 画質の上限はこちらが上だし、仕事道具と兼用できる。ただし本体価格は跳ね上がり、設定の沼が待つ。機材いじり自体が趣味なら天国、「差し込んで遊びたいだけ」なら地獄である。

(3)据え置きコンソール派(PS5はここ)。 買って、繋いで、遊ぶ。チューニング不要で最高峰クラスの映像が出る。「限られた時間を設定ではなく本編に使いたい大人」に最も向く。

そのうえで、買ってはいけない人を3つ挙げる。一、テレビの使用権が家庭内で確保できない人(本体より先に交渉が要る。あるいは別売りの携帯用リモートプレイ機という抜け道もあるが、それはまた別の記事で書く)。二、遊びたいタイトルが具体的に1本もない人(ハードは遊びたいソフトが決めるものだ)。三、積みゲーに罪悪感を覚えすぎる人(PS5は買い物が快適すぎて、積む速度も上がる)。

逆に、遊びたい大作が1本でも顔に浮かんだ人。その1本のためだけでも、この画質とロード速度は投資に値する。

時間のない大人がPS5と平和に暮らすための、実践的な知恵も置いておく。

知恵その1:大作とセッション型を一本ずつ持つ。 腰を据える大作RPGだけだと、疲れた夜に起動できなくなる。30分で区切りがつくアクションやスポーツ系を「平日用」として併走させると、稼働率が劇的に上がる。ゲームにも平日のジャージと休日の勝負服があっていい。

知恵その2:トロフィー完集を目指さない。 学生時代のやり込み文化を大人が引きずると、一本のゲームが終わらない仕事になる。エンディングを見たら卒業、が大人の履修ペースだ。

知恵その3:セーブは「次にやりたいこと」の直前で止める。 区切りのいいところで止めると、次回の起動動機が弱くなる。「あのボス戦の直前」で止めておけば、翌晩の自分への引き継ぎ事項が明確になり、再開のハードルが下がる。これは仕事術の応用である。まさかゲームに仕事術を輸入する日が来るとは思わなかったが、大人のゲームライフとはそういうものだ。

よくある質問にも答えておく。Q. 今から買うならデジタル版とディスク版どっち? 中古ソフトの売買や貸し借りをするならディスク版、ダウンロード購入で完結するならデジタル版。家族でソフトを共有する可能性があるなら、物理メディアの柔軟さは残しておいて損がない。Q. テレビが4Kじゃないと意味がない? 4Kでなくても、ロード時間の短さ・フレームレートの安定・コントローラー体験という恩恵はフルに受けられる。画質はテレビを買い替えた日に開放される「後から来るボーナス」と考えれば、順番はどちらでもいい。

ついでに、周辺装備の優先順位も聞かれるので答えておく。最初に足すべきは追加のコントローラーでも充電スタンドでもなく、ヘッドセット(イヤホン)だ。理由は本文で書いたとおり、大人のプレイ時間は家族の就寝後に集中するからである。音を制する者だけが、夜のゲーム時間を制する。逆に急がなくていいのは本体カバーや装飾系で、あれは愛が深まってからの楽しみに取っておけばいい。

結論:「大人のゲームは画質より再開速度の法則」

最後にまとめよう。今回の教訓は「大人のゲームは画質より再開速度の法則」だ。

子どもの頃、俺たちは時間で性能の低さを補っていた。大人になった今は、性能に時間のなさを補ってもらう番だ。PS5の本当の価値は、雨の美しさもさることながら、30分しかない夜に、その30分をまるごとゲームの中身に使わせてくれることにある。歳のせいでクリアが遅くなったんじゃない。人生のステージが変わっただけだ。そしてこの機械は、そのステージの変化にちゃんとついてくる。

積みゲーの山は、大人が今も何かに憧れている証拠である。罪悪感ではなく、続きを楽しみに待つ在庫だと思えばいい。在庫を抱える覚悟が決まったら、現在の価格と在庫状況をリンク先で確認してほしい。

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